Green Green Grass Of Home(想い出のグリーングラス) 訳詞・和訳

露に濡れたグリーンの芝生
Green Green Grass Of Home(想い出のグリーングラス)を和訳とともにご紹介します。音楽の授業などでもおなじみのこの曲。実は英語の原曲の歌詞は驚きのストーリー展開なんです。


“そして俺は思い知らされた
夢を見ていただけなんだと”



Green Green Grass Of Home
グリーン・グリーン・グラス・オブ・ホーム



昔なじみのふるさとは何も変わらない
電車を降りたら見えてくる
そこには出迎えてくれる母さんと父さん
道の向こうに見えるのは 駆けてくるメアリーの姿
金色に輝く髪に さくらんぼのような唇
なんて気持ちがいいんだろう
我が家の青々とした芝生に触れるのは

そう みんなが会いに来てくれる
両手をさしのべて 優しく微笑みながら
なんて気持ちがいいんだろう
我が家の青々とした芝生に触れるのは


古びた家は今もしっかりと建っている
ペンキはひび割れ 乾いてしまったけど
そしてそこにはあの年老いた樫の木がある
よく登って遊んでいたもんだ
下の小道を愛しいメアリーと歩いた
金色に輝く髪に さくらんぼのような唇
なんて気持ちがいいんだろう
我が家の青々とした芝生に触れるのは

そう みんなが会いに来てくれる
両手をさしのべて 優しく微笑みながら
なんて気持ちがいいんだろう
我が家の青々とした芝生に触れるのは


そのとき目が覚めて あたりを見回した
灰色のコンクリートの壁に取り囲まれている
そして俺は思い知らされた 夢を見ていただけなんだと
そこには看守と 悲しげな顔つきの年老いた神父がいて
夜明けが来れば 彼らに腕を組まれて歩かされるだろう
俺はまた 我が家の青々とした芝生に触れるんだ

そう みんなが会いにきてくれる
あの年老いた樫の木のかげで
俺の体を横たえながら
我が家の青々とした芝生の下に


鉄格子と刑務所の独房
「思い出のグリーングラス」Green Green Grass Of Homeは、テネシー州ナッシュビルを中心にソングライターとして活動していたカーリー・プットマンによって作詞・作曲されました。1965年のジョニー・ダレルによるレコーディングを皮切りに、トム・ジョーンズ、ジェリー・リー・ルイス、ジョニー・キャッシュ、エルヴィス・プレスリー、ジョーン・バエズなど、名だたるミュージシャンにカバーされてきた名曲中の名曲です。


すでにご存じの方も多かったでしょうが、これは刑の執行を翌朝にひかえた死刑囚を描いた歌なんですね。まばゆいほど美しい故郷の風景と、優しくあたたかく迎えてくれる家族と恋人。それは死刑囚が人生の終わりに冷たい独房の中で見た、ひとときの夢でした。前回更新のI Never Picked Cottonと状況的に重なるところがあったので、この曲をピックアップしてみました。

森山良子氏の日本語バージョンは、元歌の夢の部分だけをすくい取った形で、実にのどかでしたよね。都会の暮らしに疲れたOLが田舎の実家に帰って、遠距離恋愛の彼氏に会ってリフレッシュ!みたいな。

しかしこの曲のキモは、日本語版では切り捨てられたラストにあります。監獄で過ごす最後の夜が暗いほど、主人公の後悔と絶望が深いほど、懐かしい故郷とそこに暮らす人々の笑顔がまぶしく輝いて感じられるんですよね。そこを抜きにして夢の中身だけを歌ったら、ふるさとや大切な人たちへの気持ちも、切実さのないボンヤリしたものになってしまいます。まあ、原曲の内容はシビアすぎるので、淡く優しい故郷への想いだけを表現したいという気持ちもわからなくはないですが。


いつも和訳とともに掲載しているYouTubeの動画は、次回更新でご紹介します。当ブログのメインコンテンツであるジョニー・キャッシュのバージョンと、最も良く知られているトム・ジョーンズ版、そしてエルヴィス・プレスリー。この3人のビッグスターによる「思い出のグリーングラス」聞き比べをしてみたいと思います。


ちなみに、この曲でうたわれている樫(oak=カシ)の木はこんな枝振りです。
古い樫の木と青々とした芝生
ドラマーの方には、オーク材のドラムスティックはおなじみですよね。樫は木偏に堅いと書くことからもわかるように、木質が非常に緻密で折れにくい木です。また、低い位置からよく枝分かれするので、まさに木登りにうってつけ。そして水平に長く張り出す枝は、夏の陽ざしをさえぎる心地よい木陰をつくります。

この曲の主人公の願いが叶えられたかどうかはわかりません。たぶん叶えられなかったんじゃないでしょうか。ただ、彼の魂はあの古い樫の木陰に、青々としげる草の下に帰ってきたのではないかと思います。


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Carrot

Author:Carrot
ジョニー・キャッシュを愛する洋楽ファン。自己流の訳詩、好きな音楽の話、日常の出来事を気ままに綴ります。
★当ブログに掲載している訳詞は、個人的な楽しみのための引用であり、商用利用や配布を目的としたものではありません。また、歌詞の和訳には誤訳・誤字が存在する場合があります。営利目的の転載および複製はご遠慮ください。個人的な楽しみの範囲であれば、ご自由に利用くださって構いません。その際は当ブログへのリンク及び引用元の表記をお願いいたします★

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