Far Side Banks Of Jordan / Johnny Cash 訳詞・和訳

ジョニー・キャッシュと妻ジューン・カーター・キャッシュ
ジョニー・キャッシュジューン・カーター・キャッシュのデュエット曲、Far Side Banks Of Jordan(ヨルダン川の向こう岸で)を和訳とともにご紹介します。


“それがあなたの心残りなら 先にゆくのは私でしょう”


Far Side Banks Of Jordan
ファー・サイド・バンクス・オブ・ジョーダン



(Johnny)
足元が日々おぼつかなくなってきて
俺はあの世への旅立ちについて考えつづけている
この老いぼれの人生には もう長らえたいと願うような魅力もない
俺の気がかりはただひとつ 残していく君のことだ

(June)
それがあなたの心残りなら 先にゆくのは私でしょう
なぜかわからないけれど そうなる気がするの
あなたが旅立つときが来ても 途方に暮れたりしないで
だって あなたが最初に見つけるのは私だから

(Johnny&June)
ヨルダン川の向こう岸で待っている
砂の上に絵を描きながら座っていよう
こちらへ来る姿を見つけたら 大きな声をあげて立ち上がろう
そして 浅瀬を走りぬけて手を取りあおう


(Johnny)
貧しい食事を得るために 働きづめの人生だった
俺たちの手は震え 目も悪くなった
(June)
私がこの岸辺でしばし身をやすめ ふと目を向ければ
あなたがやってきて 私たちは天国を見るのよ

(Johnny&June)
ヨルダン川の向こう岸で待っている
砂の上に絵を描きながら座っていよう
こちらへ来る姿を見つけたら 大きな声をあげて立ち上がろう
そして 浅瀬を走りぬけて手を取りあおう

ヨルダン川の向こう岸で待っている
砂の上に絵を描きながら座っていよう
こちらへ来る姿を見つけたら 大きな声をあげて立ち上がろう
そして 浅瀬を走りぬけて手を取りあおう



ジョニー・キャッシュの愛妻、ジューン・カーター・キャッシュ。
キャッシュ夫妻のデュエットとしては、JacksonDarlin' Companionなどが有名ですが、私はこのFar Side Banks Of Jordanが一番好きですね。テリー・スミスによって作詞・作曲され、1976年にレコーディングされたナンバーです。

毎度おなじみWikipediaのジューン・カーター・キャッシュの項によると、彼女はカントリーミュージックの草分け的存在であるカーターファミリーの一員でした。子どもの頃から、歌手、ダンサー、コメディエンヌとして大活躍していたジューン。カントリー歌手に憧れていたジョニー少年にとっては、ずっと憧れのアイドルだったようです。

ジョニーとジューンの出会いはラジオ番組収録の場で、20代半ばのことでした。当時はお互いにパートナーと子どもがいて、敬虔なクリスチャンだった2人。惹かれあいながらも葛藤を持ち続けるうちに、それぞれの家庭が破綻してしまいます。道徳的な責任や世間の目に苦しみ、ジョニーの求婚を拒み続けたジューンでしたが、1968年、ライブステージ上での伝説のプロポーズを承諾して結婚に至りました。この時ジョニー36歳、ジューンは39歳。それから2003年に亡くなるまで、2人は35年にわたって添い遂げました。


ここで正直に告白しますが、私、ジューンさんの歌声が苦手なんです。特にドスをきかせた発声は、耳にキーンとくるっていうか、心地いい響きじゃないんですね。こんなこと言うと、ジョニーさんにシメられそうなのであれなんですけど、デュエットじゃなかったらいいのになーと思う曲がいくつかあります。

だけど、このFar Side Banks Of Jordanは別格! 優しく爽やかな歌い方で、貫禄のある歌声も、歌詞の内容とあいまって頼もしく温かく聞こえます。この曲のサビは、sitting、pictures、shout、shallow 、reachingなど、サ行・タ行・パ行の音が効果的に使われていて、耳に心地いいですね。さらさら、ちゃぷちゃぷと、川岸の砂地や浅瀬の流れに足を踏み入れた感触が伝わってくるようです。思わず一緒に歌いたくなってしまう。

神々しい夕陽に照らされた川の両岸
キリスト教において、Far Side Banks Of Jordan=ヨルダン川の向こう岸は、神に約束された土地です。一般的な日本人に馴染みがある表現でいうと、三途の川の向こう岸でしょうか。「君をおいて死ぬことが心残りだ」と言われて、「そんなら私が先に行って待っててあげるから、あんたもすぐに来なさいよ」と答える、3歳年上の姉さん女房ジューン。

この歌のとおり、2003年5月15日にジューンは約束の地に向けて旅立ち、その4カ月後の9月12日、後を追うようにジョニーも亡くなりました。有言実行、どこまでも頼りになる奥さんです。私も愛する人にはかくありたい。

最後に、お暇な方は、Google翻訳にこの歌のタイトルを入れて日本語変換してみてください。
いや、bankって、そりゃそうだけど……と機械翻訳の限界を目の当たりにして脱力できます。


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プロフィール

Carrot

Author:Carrot
ジョニー・キャッシュを愛する洋楽ファン。自己流の訳詩、好きな音楽の話、日常の出来事を気ままに綴ります。
★当ブログに掲載している訳詞は、個人的な楽しみのための引用であり、商用利用や配布を目的としたものではありません。また、歌詞の和訳には誤訳・誤字が存在する場合があります。営利目的の転載および複製はご遠慮ください。個人的な楽しみの範囲であれば、ご自由に利用くださって構いません。その際は当ブログへのリンク及び引用元の表記をお願いいたします★

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